SmoothX実例紹介③|破損したFDM造形品は、再出力せず修正できるのか?

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新着情報
著者:株式会社テクニカラー
積層痕を簡単に消すシステム

「失敗したから作り直し」…本当にそれしか方法はないのでしょうか?


FDM方式の3Dプリンターでは、長時間かけて造形したあとに、 穴が開く 一部が欠ける サポート除去で破損する 積層の乱れが出る といったトラブルは珍しくありません。


特に大型造形や、すでに塗装・加工途中のモデルでは、 「また最初から出力し直しか…」 という精神的ダメージもかなり大きいものです。


今回ご紹介するのは、実際に割れや穴が開いてしまった破損品を、再造形せずに修正した事例です。


使用したのは、UV硬化型表面処理システム「SmoothX」。


従来であれば再出力になりがちな失敗品でも、 “埋める・補強する・形を戻す” をその場で行えるため、 造形時間・材料コスト・作業ストレスを大幅に削減できます。


今回は実際の修正前/修正後の写真とともに、 SmoothXによる補修の流れをご紹介します。




Dプリンターの仕上げ革命

SmoothXの解説資料はこちら

 

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「整えた形のまま」硬化するSXパテ


写真左のような、この程度の小さな欠けであれば、「SXパテ」によるパテ埋めで簡単に修正できます。

まず、欠けた部分にSXパテを盛り付け、ヘラなどで表面を整えていきます。


SXパテはUV照射するまで硬化しないため、形が気に入るまで何度でも修正可能。


一般的な2液硬化型パテのように、「硬化が始まる前に急いで作業する必要」がありません。


形状が整ったら、UV照射器で約10秒照射するだけで硬化完了。

しかも、2液硬化型や湿気硬化型にありがちな“引け”がほとんどなく、整えた形状をそのまま維持した状態で硬化します。


硬化後は、#240程度のペーパーで軽く研磨。

その仕上がりが右側の「修正後」の写真です。



「埋める前」に、強度を作る


左の写真のような割れや大きな欠けを、すべてパテだけで補修しようとすると、母材のたわみや動きにパテが追従できず、後から“パキッ”と割れてしまうことがあります。


そのため、まずはガラスクロスを使って補修部分の下地を形成します。 今回は、0.2mm厚のガラスクロスを使用しました。


ガラスクロスを補修範囲に合わせて適当な大きさにカットし、欠損部分にあてがいます。


この工程を入れることで、補修部分の強度と追従性が大きく向上し、大きな欠損でも安定した補修が可能になります。



ガラスクロスを欠損部分にあてがったら、その上から「SXクリア樹脂」を筆で塗布していきます。


この時のポイントは、表面にただ塗るのではなく、ガラスクロスの繊維に樹脂をしっかり含浸させるイメージでなじませることです。


クロスの目に樹脂が入り込むことで、ガラスクロスと母材が一体化し、補修部分の下地として安定します。 樹脂が全体になじみ、クロスが補修部分に密着したら、UVライトを約10秒照射します。


すると、液状だったSXクリア樹脂が短時間で硬化し、ガラスクロスを固定した状態の「補修下地」が完成します。


この工程により、大きく欠けた部分でも、いきなりパテを盛るのではなく、まず強度のある土台を作ることができます。


後工程でSXパテを盛る際にも、形状を作りやすく、割れにくい補修につながります。



大きな割れ部分をガラスクロス+SXクリアで補強したら、次は欠けている部分の形状をSXパテで復元していきます。


まず、補修部分の裏側からFEPフィルムをあて、マスキングテープで固定します。 FEPフィルムとは、UVレジン用の3Dプリンターなどでも使われる、透明で樹脂がくっつきにくいフィルムです。


SXパテやSXクリアが密着しにくいため、裏当て材として使うことで、欠けた部分の“仮の壁”を作ることができます。


この状態で、欠けている部分にSXパテを充填していきます。 裏側にFEPフィルムがあることで、パテが裏へ流れ落ちにくく、必要な形状を作りやすくなります。


パテを盛ったら、表面をヘラなどで整え、納得のいく形になったところでUVライトを照射します。


SXパテはUVを当てるまでは硬化しないため、形を整える時間に余裕があります。 UVライトで照射すると、数秒で硬化が完了。


硬化後にFEPフィルムを外せば、欠けていた部分にしっかりとパテが入り、後工程の研磨や仕上げに進める状態になります。


「埋める」と「塗る」で積層痕を消す


割れや欠けの補修が完了したら、次はFDM造形特有の「積層痕」を処理していきます。


このモデルでいうと、ルーフやボンネット部分のように積層段差が深く出ている箇所は、「SXパテ」を使用して埋めていきます。 SXパテは肉持ちが良く、引けも少ないため、深い積層痕でも一度の施工で処理できるケースが多く、作業時間を大幅に短縮できます。


一方で、側面など比較的浅い積層痕の部分については、「SXアンダーコート」を刷毛塗りで施工します。 塗布後はUVライトで硬化。UV硬化型のため、乾燥待ちの時間がほとんどなく、数秒で次の工程へ進めます。



その後、#240のペーパーで形状を整え、さらに#400で表面を仕上げれば、塗装用下地の完成です。


従来のように、 サフェーサーを何度も吹く 乾燥待ちを繰り返す 引けで再施工する といった工程を減らせるため、FDM造形品の仕上げ作業を効率良く進めることができます。





「失敗品」は、ここから作品になる


塗装したプリント品


今回の事例では、 穴や欠けが発生した破損造形品を 再出力せずに補修し 積層痕を処理し 最終的に塗装仕上げまで行いました。


FDM方式の3Dプリンターは、どうしても


・積層痕

・強度不足 サポート

・除去時の破損

・長時間造形後の失敗


といった課題がつきまといます。


しかしSmoothXを使用することで、 「失敗したから最初からやり直し」 ではなく、 「その場で修正して次へ進める」 という、新しい選択肢が生まれます。


特に今回のような、 大きな欠け 割れ 深い積層痕 といった、通常なら再造形を考えるレベルのトラブルでも、 ガラスクロスによる補強、SXクリアによる下地形成、SXパテによる形状復元、SXアンダーコートによる表面処理を組み合わせることで、短時間で実用的な補修が可能でした。


そして最終的には、単なる「修理品」ではなく、作品として成立するレベルまで仕上げることができます。


FDM造形の可能性は、造形が終わった瞬間ではなく、 “その後の仕上げ工程”によって大きく変わります。


SmoothXは、その後工程を大きく変えるためのシステムです。


表面処理の革命、SmoothX。

現在、製品化に向けて準備を進めており、

今年の夏に販売予定です。