SmoothX実例紹介②|塗るだけで積層痕を消す新手法|質感を残したまま仕上げる全工程

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新着情報
著者:株式会社テクニカラー
積層痕を簡単に消すシステム

3Dプリンターで出力した直後の造形品。
どれだけ精度が上がっても、必ず残る「積層痕」。


これを消すために、一般的には
パテを盛る、サフェーサーを吹く、研磨する——
そんな工程が“当たり前”になっています。

ですが、ここに一つ大きな問題があります。


それ、本当に全部の造形に使えますでしょうか?


たとえば今回のような、
フィラメントの色味や質感そのものを活かした作品。
あるいは、木目や石調などの“テクスチャー付き素材”。

こういった造形にパテやサフェーサーを使った瞬間、
その質感は完全に死にます。


せっかくの素材の表情を潰してまで、
本当に「滑らかさ」を優先するべきなのか。

——答えは、違います。


積層痕は消したい。
でも、素材の質感は絶対に残したい。

その“矛盾”を、
たったひとつの方法で解決できるとしたらどうでしょうか。


今回紹介するのは、
「塗るだけ」で積層痕を消しながら、質感はそのまま残す方法。

実際に、
積層痕がはっきり見えているこの状態から(写真左)
刷毛塗りだけでここまで変わります。(写真右)



Dプリンターの仕上げ革命

SmoothXの解説資料はこちら

 

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段差の深さで変える表面処理|効率的な積層痕除去の考え方

今回の造形品の仕上げはSXクリアパテ(左)とSXクリア(右)を使用しました。




そして、まず見てほしいのがこの部分。





このように、積層痕の中でも段差が深い部分は、
そのままクリアを塗るだけでは完全には消えません。


ここで使うのが「SXクリアパテ」です。


ポイントはひとつ。
“埋める”というより、“なじませる”感覚。



ヘラで均一に整えようとすると、どうしても境界が出やすいので、
おすすめは、ゴム手袋をつけて指でしごく方法です。


これだけで、パテが自然に段差へ入り込み、
後工程で違和感のない仕上がりになります。



パテ処理が終わったら、次は仕上げです。

全体に「SXクリア」を刷毛塗りでコーティングします。


ここでよくある不安がこちら。


「刷毛目、残らないの?」


——結論、気にする必要はありません。


SXクリアは、塗布後に
最適化された粘度によって自動的にレベリング(平滑化)が始まります。





つまり、


・雑に塗ってもいい
・均一に広げるだけでいい
・テクニックはいらない


塗ったあと、数秒放置するだけで表面が整い始める

あとはその状態でUVを照射。


これだけで、
誰でも簡単に滑らかで質感を殺さない表面が手に入ります。




ちなみに、積層痕をならす方法としては
2液性のウレタンやエポキシを塗布してレベリングさせる方法も広く使われています。


この方法自体は、しっかりとした仕上がりが得られる優れた手法です。


ただし一点だけ、知っておきたい特性があります。


それは、時間とともに粘度が変化するということ。


2液性の樹脂は、混合した瞬間から硬化が始まるため、
パッケージから出した直後と、数分後ではすでに状態が変わっています。


つまり、


・最初はサラサラでよく流れる
・時間が経つと粘度が上がり、流れにくくなる


この変化によって、
最適な粘性を保持し続けることはできないという側面があります。




一方で、SmoothXで使用するUV硬化型樹脂は、
照射するまで硬化が始まりません。



つまり、



・塗っている間はずっと同じ粘度
・時間による状態変化がない
・狙ったタイミングで硬化できる



この特性によって、
誰がやっても同じ条件でレベリングが起こる=再現性が高いというメリットがあります。








刷毛塗りだけで積層痕が消えるSXクリア


これが、実際にSXクリアを塗布した状態です。
(左半分は未処理)



見ての通り、
同じ造形でもここまで印象が変わります。


今回のように、椅子の背もたれ裏側のような面であれば、
刷毛塗り1回だけでこのレベルまで積層痕を消すことが可能です。




ここで、一般的なUVクリアとの違いについても触れておきます。


多くのUVクリア樹脂は、
水のようにサラサラしたものを薄く塗り重ねる使い方が基本です。


一方で、SmoothX専用樹脂は少し考え方が違います。


ポイントは、
「適切な粘度」と「ある程度の厚み」です。


SXクリアは、ただ表面を覆うのではなく、
積層痕の凹凸そのものを“埋める”ための粘度設計になっています。


そのため、


・薄くなでるように塗るのではなく
・刷毛でしっかりと「ぽってり」と乗せる


これが正解です。


では、UV硬化樹脂でなぜ厚塗りが成立するのか。


ここがSmoothXのもうひとつのポイントです。

SmoothXで使用するUV照射機は、


365nmに最適化された専用設計

表面だけを固めるのではなく、
樹脂の深部まで光を届かせ、内部から硬化させることを前提にしています。


そのため、


・表面だけ硬化して中が未硬化になる
・厚塗りするとベタつきが残る


といった一般的な問題が起きにくく、
“厚く塗って、しっかり固める”という使い方が成立します。




この「粘度 × 厚塗り × 深部硬化」が揃うことで、
刷毛塗りだけでもここまで滑らかな面が作れる、というわけです。



積層痕は“消す”から“見せない”へ|仕上がりを決める最終調整



写真左が、SXクリアを塗布・硬化させた状態です。


表面はしっかり平滑化され、艶のある仕上がりになっています。


ただし、ここでひとつ補足です。

UV樹脂は非常に透明度が高いため、
表面の積層痕を埋めていても、下地の凹凸を“透けて拾う”ことがあります。


つまり、

・表面は滑らかになっている
・でも光の当たり方によっては積層痕が見える

という状態です。




これが気になる場合は、対処はシンプルです。


艶消し(マット)のスプレーを軽く一吹きするだけ。

すると写真右のように、


・光の反射が抑えられる
・表面の情報量が均一になる
・結果として積層痕がより目立たなくなる


という効果が得られます。




SXクリアは
「形状を整える役割」を担い、


仕上げの質感は


「艶あり/艶消し」でコントロールできる


つまり、

・まずは樹脂でしっかり面を作る
・最後に見せ方を選ぶ


という2段階の考え方です。




この一手間を入れるだけで、
“3Dプリント感”はほぼ消えます。










複雑形状でも5分で整う|“削る”から“整える”への発想転換


椅子に飾るほかの2部品の3Dプリント品も仕上げていきます。






こちらのの2点は最終的に塗装仕上げを行うため、
工程は以下の流れです。


・SXサフェーサーを塗布
・#180のスポンジやすりで軽く荒仕上げ
・仕上げにSXクリアを塗布


やっていることはシンプルですが、注目すべきは作業時間です。

研磨にかかった時間は、どちらも約5分。


通常であれば、

・細かいディテールに入り込んだ積層痕
・曲面に沿った研磨作業

ここにかなりの時間を取られます。


ですが、SmoothXの工程では


「削る」のではなく「整える」発想に変わるため、作業時間が一気に短縮されます。



仕上がりは下地で決まる|エイジングでも差が出る理由


最後に、すべてのパーツへエイジング加工を施し、
ここまでの仕上がりにしています。



見ての通り、表面はあえて荒らし、
劣化や風化を再現した仕上げです。



ここで重要なのがひとつ。

どれだけ表面を壊しても、下地の精度は消えないということです。


積層痕が残ったままエイジングを行うと、
その“規則的なライン”がどうしても違和感として浮いてきます。


せっかくのリアルな劣化表現も、
どこか“作り物感”が抜けきらないという結果になります。



一方で、今回のように
あらかじめ積層痕をしっかり消しておくとどうなるか。


・表面の荒れがすべて“意図した表現”になる
・光の当たり方に不自然さが出ない
・結果として一気にリアリティが上がる




つまり、

仕上げの説得力は「最後の塗装」ではなく「下地」で決まる。




通常の塗装はもちろんですが、
このようにあえて表面を壊すエイジング塗装においても、

積層痕がないだけで、作品の完成度は別次元に引き上がります。




表面処理の革命SmoothXは今年の夏販売予定



ここまで見ていただいた通り、
積層痕の処理は、単なる“下準備”ではありません。

仕上がりの質感も、作品の説得力も、
すべてはこの工程で決まります。

そしてその工程は、
時間と手間をかけるものから、
誰でも短時間で再現できるものへと変わりつつあります。


SmoothXは、
「削る・埋める・整える」という従来の発想を覆し、
塗るだけで面を作るという新しいアプローチを可能にしました。


だからこそ、

・素材の質感を活かしたい
・ディテールを潰したくない
・でも効率よく仕上げたい


そんな要求を、すべて同時に満たすことができます。


表面処理の革命、SmoothX。
現在、製品化に向けて準備を進めており、
今年の夏に販売予定です。