3dプリンターにおけるスティックのり掃除術!反り対策から選び方まで徹底解説

query_builder 2025/06/12
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著者:株式会社テクニカラー
12 3dプリンター スティックのり

3Dプリンターでの造形作業に、スティックのりを使っている方は多いのではないでしょうか。特にPLAやABS素材のフィラメントを使った印刷で、テーブル(ベッド)への定着性が悪く、造形物が反ってしまったり、途中で剥がれてしまった経験はありませんか?

 

市販されているスティックのりの中には、3Dプリンタ専用として開発された製品もあり、一般的なのりとの性能差は驚くほど大きいのが現実です。

 

それにもかかわらず、用途に合わないスティックのりを選んでしまうと、結果的にプリント失敗が続き、材料や消耗品を無駄にしてしまうリスクがあります。出荷前のプロトタイプ制作や部品の試作など、重要な工程で「反り」や「定着不良」が起これば、時間やコストの損失にもつながりかねません。

 

最後まで読むと、あなたにとってベストな「スティックのり」が明確になり、次回の造形が格段に安定するようになります。

 

3Dプリンターで実現する高品質なプラスチック試作 - 株式会社テクニカラー

株式会社テクニカラーは、プラスチック試作品の製作を専門とし、あらゆる業界の製品開発を支援しています。光造形、粉末造形、金属造形、熱溶解積層造形、インクジェット造形、マルチジェットフュージョン造形など、幅広い3Dプリンターを活用し、形状や用途に応じた最適な製作方法をご提案いたします。短納期対応や量産向けの精密試作にも柔軟に対応しており、設計段階から製品化まで一貫したサポート体制を整えています。高品質かつスピーディーなサービスで、お客様のイメージを形にするお手伝いをいたします。

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3Dプリンターでスティックのりが必要な理由とは?反り・剥がれのメカニズムを解説


なぜ第一層(1層目)の定着が重要なのか?失敗例と成功条件

 

3Dプリンターで造形を開始する際、最初に出力される第一層、いわゆる1層目の定着が成功の鍵を握ります。この層がしっかりとプラットフォームに接着しないと、途中で反りが発生したり、モデル全体がズレたり、最悪の場合はプリントそのものが失敗します。スティックのりが必要とされるのは、まさにこの初期段階での密着性を高め、反りや剥がれといったトラブルを防ぐためです。

 

反りが起こる主な原因には、以下のような要素があります。

 

  • フィラメントの冷却収縮
  • プラットフォームの素材とフィラメントの相性の不一致
  • ベッド温度の設定ミス
  • プラットフォーム表面の汚れや油分の残留
  • スティックのり未使用、もしくは不適切な塗布

 

これらの問題は、第一層の定着不足を引き起こし、3Dプリントの成否を左右する要因となります。

 

第一層の失敗を防ぐためには、スティックのりによるプラットフォーム表面の「滑り止め」効果が極めて有効です。のりを均等に塗布することで、素材がしっかりとベッドに吸着され、冷却による反りが起きにくくなります。また、のりの成分によっては適度な粘着力を持ちながらも造形終了後は剥がしやすくなるため、プリント後のトラブルも軽減できます。

 

以下は、反りや剥がれを防止するために推奨される要素とその条件をまとめた一覧表です。

 

要素 失敗例 成功条件
フィラメントの冷却 PLA素材で1層目が冷えて収縮、端が反る ベッド温度60~65℃を安定維持し、冷却ファンは2層目以降に使用
プラットフォームの汚れ 油分や埃でのりが効かず、密着せず剥がれる アルコール等での清掃後、乾いた状態でスティックのりを塗布
ベッドの素材との相性 PEIベッドでABS造形時に反り発生 定着シートまたはスティックのりで補強
のりの塗布不良 ムラがあり、定着力が局所的に異なり浮き上がりやすい 均等に薄く、造形面積の1.5倍程度の範囲を塗布
温度管理ミス ベッド温度が足りず、接着前に冷却してしまう 印刷開始前にベッド温度が安定していることを確認

 

とくに注意したいのは、フィラメント素材ごとの適正温度とベッドの状態です。例えばPLAは比較的定着しやすい素材とされますが、冬場や寒冷地ではベッドの温度が十分に上がらず、1層目が冷え固まって反るケースが頻発します。一方、ABSやTPUのような高温素材では、のりの種類や厚みを変えるだけで密着率が大きく変動します。

 

また、以下のような利用者の悩みも多く聞かれます。

 

  • どうしても1層目だけが浮いてしまう
  • 印刷開始時のノズル高さは合っているのに反る
  • のりを使っても意味がなかった気がする

 

こうした声の多くは、実は「のりの選び方」「塗布量」「温度調整」が最適でなかったことに起因しています。たとえば、文具用のスティックのりをそのまま使っていて、成分がフィラメントと相性が悪かった、または塗りすぎてベタついて逆に剥がしにくくなっていた、などが典型例です。

 

これらを実行することで、第一層の定着率は格段に向上し、出力精度も飛躍的に安定します。スティックのりは決して万能ではありませんが、正しい理解と運用があれば、初心者から上級者までの幅広いユーザーにとって信頼できる強力な味方になります。第一層にこそ、成功の鍵が詰まっているのです。

 

スティックのりの効果とは?他の定着方法との違いとメリットを比較


スティックのり vs マスキングテープ 家庭用ユーザー向け比較表

 

3Dプリンターで安定した造形を行うには、プラットフォームへの第一層の定着が極めて重要です。中でも、家庭用FDM(熱溶解積層)方式において、定着用の代表的手段として「スティックのり」と「マスキングテープ」が広く用いられていますが、それぞれに特徴と適正があり、使用者の環境や目的によって選択基準は変わります。

 

まず結論を述べると、家庭用ユーザーがPLA素材を使うなら「スティックのり」が最もコストパフォーマンスと安定性に優れており、マスキングテープはABSなど高収縮素材を扱う場合や、のりによる清掃の手間を避けたいケースに適しています。

 

以下の比較表では、実際の使用感・価格・耐久性・定着性・掃除のしやすさといった家庭用ユーザーが特に気にする点を素材別で整理しています。

 

スティックのりはPLAに対して非常に高い定着力を発揮します。特に冬場の室温低下によるベッドとの温度差からくる「反り(ウォーピング)」を抑える効果が顕著で、第一層の接着が甘くなる問題を緩和します。反面、使用後にプラットフォーム上に残るのり跡の掃除に手間がかかる点はデメリットです。

 

一方、マスキングテープは貼り直しが簡単で、のりのような清掃工程が不要なため、頻繁に造形する場合や子どもとの作業にも適しています。ただし、長期間使用するとテープ表面の細かな凹凸や摩耗により、出力物の下面が荒れてくる場合があるため、定期的な張り替えが必要です。

 

このように、素材特性・造形頻度・家庭の作業環境によって最適な選択肢は異なりますが、初心者や子どもと一緒に楽しむユーザーであれば、「まずはスティックのりから試してみる」ことをおすすめします。

 

また、ホームセンター等で販売されている3Dプリンター専用スティックのり製品は、一般文具用のりよりも温度耐性や粘着成分が改良されているものもあり、失敗の確率を大幅に減らすことが可能です。

 

この比較を参考に、ご自身の利用環境と目的に合わせた定着手段を選んでください。

 

スティックのりの正しい使い方!塗り方・剥がし方・掃除方法まで徹底解説


スティックのりをきれいに掃除する3つのテクニック

 

スティックのりは紙工作や3Dプリンターの造形補助など幅広い用途で使われていますが、使い終わったあとに残る「のり汚れ」や「接着剤カス」がトラブルのもとになりがちです。とくに、3Dプリンターのプラットフォームや光造形樹脂モデルの接着面には、不要なのりが残ることで反りや造形ミスの原因になることもあります。ここでは、スティックのりの種類別に最適な掃除方法を解説しつつ、のりが残らない塗り方と定着維持のテクニックまで掘り下げて紹介します。

 

まず、スティックのりの汚れが発生する原因として多いのは以下の3つです。

 

  1. 塗布量が多すぎる
  2. 均一に塗られていない
  3. のりの種類が用途に合っていない

 

のりを使う前に「塗布量」「接着面の素材」「用途別の相性」を意識するだけで、掃除の手間は大幅に軽減できます。

 

のりの種類別に見る掃除方法の違い

 

スティックのりには「水性」「溶剤系」「樹脂含有タイプ」などいくつかの系統があり、それぞれに適した掃除方法があります。

 

のりの種類 使用される場面 掃除方法 適した道具 注意点
水性のり 教材・家庭用 ぬるま湯と中性洗剤で拭き取り 柔らかい布やティッシュ ゴシゴシ擦らない
溶剤系のり 3Dプリンター造形時 無水エタノールで除去 綿棒やメラミンスポンジ 換気と手袋が必要
樹脂含有タイプ プラットフォーム固定 スクレーパー+IPA 金属ヘラ+アルコール 表面を傷つけないこと

 

これらの方法で除去できない頑固な汚れがある場合、専用ののりリムーバーやプラットフォーム用シートを活用するのも有効です。特に3Dプリンターにおいては、ベッド表面の定着性能を保つためにも、のり成分を蓄積させないことが重要です。

 

剥がれない・汚れないための塗り方テクニック

 

のりの掃除を減らすためには、「剥がれにくいが、後処理がしやすい」理想的な塗り方が求められます。以下に、初心者でも実践できる3ステップの塗布法を紹介します。

 

  1. 表面を乾いた布でしっかり清掃(埃・油分を除去)
  2. スティックのりを薄く均一に塗る(一方向に押しながら)
  3. 使用後すぐにキャップを閉め、固まらないうちに片付ける

 

3Dプリンターのように温度や湿度の影響を受けやすい作業環境では、のりの塗布タイミングや素材との相性(例えばPLA・ABS・PETGなど)も考慮する必要があります。

 

子供・教育現場・初心者にやさしいのり選びのポイント

 

スティックのりは、文房具としても3Dプリンターの消耗品としても使用される一方で、子供や初心者が使う場面では「安全性」「誤飲防止」「手につきにくい」「洗いやすさ」などが重要視されます。ここでは、特に教育現場や福祉施設、初心者向けワークショップなどで重宝される「やさしいのり選び」のポイントを整理します。

 

やさしいスティックのりの選定基準

 

選定項目 推奨される特徴 理由
成分 水性・無溶剤・アレルゲンフリー 誤飲や肌荒れのリスクが低い
色付きタイプ 青や紫の塗布確認タイプ どこに塗ったかが見えて安心
洗い落ちやすさ 水・ぬるま湯で簡単に除去可能 衣服や机に付いても安心
容器の安全性 丸みのあるボディ・大きめキャップ 誤飲・誤操作を防ぐ設計
開閉のしやすさ 少ない力でも開け閉め可能 小さな手でも扱いやすい

 

こうした製品は、学校教材や高齢者施設のレクリエーションなどでも人気です。

 

子供・高齢者・初心者向けの使用シーン

 

  1. 保育園や小学校での紙工作
  2. 高齢者施設での造形レク
  3. 初心者向け3Dプリンターワークショップ

 

どの場面でも、手につきにくく、においが強くない、万が一口に入っても安全な製品が重宝されます。また、使いやすさの観点からも「キャップが片手で開けられる」「スティックが手になじむ太さ」であることが求められます。

 

初心者や子供、高齢者が使う場面では、製品の「やさしさ」が安心感と作業効率に直結します。用途に応じた選定と配慮が、事故防止にもつながる重要なポイントです。

 

まとめ

3Dプリンターを使った造形において、スティックのりは想像以上に重要な役割を果たします。定着力が弱ければ、印刷中に造形物が浮いたり反ったりして失敗に繋がります。特にABSやPPなどの素材では、温度差による反りが起きやすく、スティックのりによる対策は不可欠です。

 

読者の中には「100円ショップのスティックのりでも代用できるのでは?」と疑問を持つ方もいるかもしれません。たしかに一部の造形には問題ない場合もありますが、長時間の印刷や大型モデルでは接着力が足りず、結果としてフィラメントや電力、作業時間を無駄にするリスクが高まります。

 

スティックのりは数百円から購入できる手軽な消耗品ですが、適切な選択をすることで3Dプリント全体の品質と効率が大きく変わります。選び方ひとつで造形の成功率が変わる以上、見落とすべきではありません。

 

今回ご紹介した内容を参考に、自分のプリンターや使用する素材に最適な製品を選び、安定した造形環境を整えてください。小さな工夫が、大きな成果を生む第一歩となります。

 

3Dプリンターで実現する高品質なプラスチック試作 - 株式会社テクニカラー

株式会社テクニカラーは、プラスチック試作品の製作を専門とし、あらゆる業界の製品開発を支援しています。光造形、粉末造形、金属造形、熱溶解積層造形、インクジェット造形、マルチジェットフュージョン造形など、幅広い3Dプリンターを活用し、形状や用途に応じた最適な製作方法をご提案いたします。短納期対応や量産向けの精密試作にも柔軟に対応しており、設計段階から製品化まで一貫したサポート体制を整えています。高品質かつスピーディーなサービスで、お客様のイメージを形にするお手伝いをいたします。

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よくある質問

Q. 3Dプリンターでスティックのりを使うと、どのくらい反りや剥がれを軽減できますか?
A. 使用するスティックのりの種類や塗布面積にもよりますが、正しく使えば造形物の反りや第一層の剥がれを約70パーセント以上軽減できたという報告もあります。特にABSやPLA素材での印刷時、ベッド温度を適切に保ちつつスティックのりを塗布することで、造形の安定性が飛躍的に向上します。実際に市販の3Dプリンタ専用スティックのりを使うと、定着力がアップし、失敗率が大幅に下がったと評価されています。

 

Q. 3Dプリンター専用スティックのりと100円ショップののりでは何が違いますか?
A. 最大の違いは、温度変化に対する接着力の安定性と、フィラメント素材との相性です。3Dプリンター専用のスティックのりは、造形ベッドの加熱状態や冷却段階を想定して開発されており、特にPPやPETGなど滑りやすい素材に対しても高い定着効果を発揮します。一方で、汎用品は粘着力が不安定で、プリント中に造形物が動いてしまうリスクが高くなります。また、専用品は塗布後の清掃性も高く、作業時間の効率化にもつながります。

 

Q. スティックのりを使っても造形が剥がれる場合の対策は?
A. スティックのりを使っても剥がれる場合は、原因がいくつか考えられます。まず、ベッドの清掃不足やのりの塗布ムラ、塗布量が足りない可能性があります。また、温度設定が適切でないと接着力が発揮されにくくなります。ベッド温度は素材別に調整が必要で、例えばPLAは60度前後、ABSは100度前後が目安です。さらに、造形モデルの底面積が小さい場合は、ラフトやブリムを追加することで接地面積を広げ、定着力を向上させる方法も有効です。塗布のコツや掃除のタイミングも記事内で詳しく解説しています。

 

会社概要

会社名・・・株式会社テクニカラー
所在地・・・〒330-0064 埼玉県さいたま市浦和区岸町6-8-13-2
電話番号・・・048-678-9107

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